drug 8
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静かに足の指を舐める音が響く。
そこに、熱い吐息が混ざって、鎖を持つ二宮さんは天を仰ぎながら震える。
「っはぁ…ほんっと…相葉さんは犬みたい」
首輪から繋がる鎖をグンと引かれベッドに座る二宮さんの足に挟まれるように膝で立った。
そのまま、二宮さんはゆっくり、後ずさるようにベッドに上がって、鎖を引きながら俺をベッドに引きずり上げる。
二宮さんに覆い被さるような体勢になって、鎖を握る二宮さんをジッと見下ろす。
「相葉さんてさぁ…穴空くくらい俺のコト、真っ直ぐ見るよね?……それさ…癖?」
ジャラっと音が鳴り鎖をクイと引かれる。
俺はそっと白い頰を撫でて呟いた。
『癖じゃないですよ。二宮さん以外…見たりしませんし…』
二宮さんは頰を撫でる俺の手の親指に噛み付いた。
『っ!ってぇ…』
「腹立つのよ…その真っ直ぐな目。」
『…すみません…』
「フッ…バカなんじゃないの?」
『そうかも知れませんね。…鎖…外さないと、抱けませんよ?』
「飼い主は俺だよ?…鎖は外さない。」
『…好きです。』
「面白いねぇ…相葉さん」
『二宮さんが…好きです。』
首筋に口づけて何度も告白する。
もう何度目かの夜だ。
俺を利用する二宮さん。
二宮さんに利用される事を利用する俺。
いつまで経っても解けない。
絡まった鎖が…
解けずに絡まる。
何重にも何重にも絡まって…
本当の二宮さんを捕まえられない。
一体どうしたら、俺はあなたの犬じゃなくなるの?
細い腰を抱き上げて、熱い昂りを押し込んで鳴かす。
ヨガって捩れた身体を引き戻して、荒々しく突き上げる。
二宮さんは息を切らしながらシーツを掴んで逃げようとする。
それを許しはしない。
『どうっしたっのっ?鎖っ…持ってるのは、あんたなのにっ!…これじゃっ!繋がれてるのはっ…あんただよっ』
「いっ…ぁっ…ヒッ…ぅゔっ!…ぁああっ…やっめっ…はぁっん!」
『だらしないなぁ…もっとっ…散歩してくれなきゃっ…ねぇっ…はぁっ…二宮さんっ…』
ジャラッジャラッと腰の動きに合わせて鎖が擦れる音がする。
拘束のS.eXが欲情を煽る。
「あっいばさんっ!…相葉さんっ!奥っ!…ぁあっ!もっ…とっ!」
『っ!クソビッチっ!!』
二宮さんを
出来る事なら
孕ませたい。
そう思うだけで涙が溢れて、掴んだ腰に爪が食い込んだ。