libido 96
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yellow side
ドンッと扉を閉め、ガチャンと鍵を掛けるまーくん。
短く息が上がる俺たち。
汗ばむ身体に張り付く浴衣。
花火が盛り上がる中、会場から少し離れた公衆トイレは薄暗く無人だった。
壁に手を突いて、片足を抱えられ、便座に乗せられる。
たくしあげられた白い浴衣が帯にギュッと押し込まれ、まーくんの熱い手のひらが太ももを撫でる。
「んっ!はぁっ…はぁっ…まーくんっ…」
『ちょっとだけ…慣らすから舐めて』
後ろからまーくんが俺に覆い被さった。まーくんの指が口に押し込まれ、必死で唾液を絡める。
「んぅっ…ぷはっ」
口から指が引き抜かれると、まーくんを受け入れる場所にニュルっと唾液まみれの指が触れ、身体がしなる。
グチュッと押し込まれ、壁に突いていた腕の力が抜けて肘が折れ、ガクンと前のめりになると、受け入れる場所が更にまーくんに晒された。
クチュクチュと掻き回す指が2本に増える。
「はぁっぁ…も、もうっいいからっ!」
ウズウズする奥にまーくんを欲しがってしまう自分に驚きながらも、片足を上げた卑猥な体勢のまま振り返った。
まーくんの黒い瞳がまるで獣の様に鋭く光って、勢いよく身体が密着し、熱い体温が首筋に擦り寄って、歯を立てる。
「まぁっくんっ!…っっ!」
耳たぶを甘噛みされ、鼻にかかる声が
囁いた。
『挿れるよ』
ドキンと心臓が揺れ、すぐに息が詰まるような圧迫が襲う。
「はぁっんぅっ…くぅっ!ぁあっ!」
後ろからグンと突き上げられるたびに口を塞ぐのに声が漏れた。
その度に耳を噛まれ、甘く叱られる。
『ダメっ…はぁっ…声っ…俺以外にっ…聞かさないでよっ…』
その言葉通り後ろから容赦なく突くくせに大きな手の平が俺の口をギュッと押さえた。
息苦しさと快感と大好きって想いが大きな波になってやってくる。
「ングぅっ…ン…ぅゔ…」
『カズ…やらしい…イキたいの?自分で腰振ってるよ?…ぁああ、もうっ!無理っ!』
口を押さえていた手のひらはパッと離れ、俺の腰に添えられた。
両手でガッチリ掴まれて凄い勢いでまーくんが腰を打ち付ける。
唾液まみれにされたそこはまーくんの我慢出来ず滴る汁と絡んでグチュグチュ音を立てる。
「ダメっ!まーくんっ!イクッイクぅ!」
掴めない壁に爪を立てる。
自分の迸りは張り詰めた先からタンクに向けて飛び散った。
まーくんも俺の中で果てたのが分かる。
熱い流れがグプグプと音を立てていた。
『はぁっ…はぁっ…カズ…カズ…大好き』
後ろから抱きしめられ唇を塞がれ
俺はじっとりとかいた汗に
満足していた。