ninon's BOOK

オリジナルBL小説のブログです。

こんにちはまた明日  42

42

 


フラッと相葉くんに向き直り、横たわる彼の肩をガシッと掴んで怒鳴った。

「どうして…どうして俺を助けたんだよ…どうして悪魔が言った時!引こうとしなかったんだよっ!!もしっ!また刺されてたらっ!本当に死んでたかも知れないのにっ!!」

ガクガクと俺に揺さぶられる相葉くんが、呟く。

『…から…』

「何?聞こえないよっ!」

『ニノを殺そうとしたからっ!!そんな事っ!!絶対許さないっ!貴方を俺から奪おうとした事っ!絶対許さないっ!!許せるわけないだろっ!!ニノは俺のっ!!俺の運命なんだっ!!』

相葉くんの叫びを聞いて…相葉くんの目の色が本気過ぎて、俺は固まってしまう。

『俺はニノが居なきゃ…ダメなんです。ダメなんです…』

俺の頰に触れる相葉くんが涙を流す。

俺は締め付けられる胸の痛みを堪えて相葉くんの頭を胸元に抱き寄せ、髪に口づけた。

「バカ…バカやろぅ…」

 


涙声で小さく吐き捨てるように呟いた。

 


「…ニノ…相葉くんを頼む。俺と潤はこの倉庫に居る魂を連れてくる。向こうに現れた悪魔は始末が付いてるから、もう安全だ。潤、いけるな」

「あぁ…ニノ…少しでも相葉くんを回復させるんだぞ。分かってるな」

俺は視線を松潤から胸元に抱いた相葉くんに移した。

サラサラの髪を撫で、松潤に視線を戻す。

「少しでも…回復させるっ!」

 


二人は頷き飛び立つ。

俺は相葉くんに膝枕すると、ゆっくり血塗れの羽を撫でた。

 


俺に出来る事…

そんなの一つしかない!

 


『ぅゔっ…っはぁ…』

「痛むよね…大丈夫!絶対壊死させたりしないっ!」

そう言って相葉くんにキスをする。

ゆっくり触れて…何度も優しく。

 


我慢出来なくなるのは…そう…キミだよ。

 


開いた唇の中に相葉くんが舌を押し込んで来る。

「んっ…ぅふぅ…んぅっ…」

唾液が音を立てる。

甘い…いつもより…ずっと甘いのは…相葉くんが俺を欲しているから。

 


「相葉くんっ…首に…噛み付いて…強く」

相葉くんは拒否せず、俺の首をベロッと舐め、すぐにそこに歯を立てた。

「ぁあっ!っっ!くぅっ…っはぁっ!」

ゾクゾクっと背筋を這い上がる痛みと快感。

相葉くんの翼がバサッと揺れ、大きく開き、俺を囲う。

「相葉くん…暗い…」

俺の胸元に顔を埋めていた相葉くんが囁いた。

『ニノ…』

熱く、火照るような吐息混じりの声に、挑発される。

俺はスラックスのベルトを緩め、相葉くんの口にソレを差し出した。

「……舐めて…ぁ…はぁっ…」

俺の囁きに、相葉くんは躊躇なく口を開いた。

グチュグチュッと口内で熱い舌と唾液が絡み付いてくる。

いつもよりうんと早く迸りを放つには十分過ぎる状況下。

人目に晒されかねない刺激が俺を追い込んだ。

相葉くんの髪に指を埋め、吸い付くされる瞬間に力が抜けていく。

ゴクッと生々しく白濁を飲み込んだ音がする。

俺を覆っていた翼が静かに開き、相葉くんが体を起こし肩に額を預けて来た。

『外でなんて…ごめんなさい。』

「何言ってんだよ…相葉くんの為だよ」

擦り寄るようにして返すと、相葉くんは深く重なる

 


キスをした。

 

 

 

高橋さんと藍くん  101

101

 


結局、誤解してつまらないヤキモチを妬いたのはほんの一瞬の出来事で終わった。

暗い非常階段の踊り場。

立ち上がった文也の手を引き、壁に押し付け、藍は薄い唇を堪能していた。

「もぅ…戻らなきゃ…」

「…もう少しだけ…」

藍は文也の腰を抱き寄せる。

既に息も上がり蕩けるような表情の文也。

藍の身体が密着してくると、股間に固いモノが当たる。

「あ、藍くん…」

下半身に目をやると、スラックスの前がキツそうに膨らんでいた。

「先…戻ってて下さい。すぐ戻ります。」

藍がどうしょうもないといったように頭を掻いた。

その我慢している様が可愛くて、文也はゆっくり床に膝をついた。

「た…高橋さん?」

「会社でこんな事…絶対ダメなんだからな…きょ、今日だけだよ…僕が悪かったし…」

そう言って、文也は掛けていた銀縁眼鏡を外し、丁寧にテンプル部分を折りたたむと、胸ポケットへしまった。

ゆっくり藍のベルトに手を掛ける。

「っ…た、高橋さんっ」

非常階段は誰も使わない。普段は皆、エレベーターを使う。ただ、微かに聞こえる重い鉄製の扉の向こう。ヒールのすれ違う音。時折高く響く笑い声。バクバクとなる心臓の音とは裏腹に欲望のままに勃ち上がる藍の熱。

文也はそれに白い指を絡めて、裏筋から掬うように舌を這わす。

「っはぁ…」

熱い吐息に、文也は自分の熱がジクジクと盛るのを感じていた。

藍のものを口一杯に頬張りながら、自分の下半身を手で押さえつける。

「高橋さん、俺のしゃぶりながら気持ちよくなっちゃったの?…可愛い…」

息を荒げながら、卑猥な言葉をかけられて文也はより興奮していた。自分がこんな一面を持っていたなんて恥ずかしいはずなのに、まるで欲しがるように唾液を絡めながら藍をうっとり見上げてしまう。

「…高橋さんもそれじゃ戻れないな…」

「あ、藍くんっ!」

「はい、これ、口で咥えてて下さい。汚れちゃうから」

藍は文也の腕を掴み立たせるとベルトを緩め、シャツを引き上げその口に咥えさせた。

「一緒に…ね」

藍が自分の熱と文也のモノを大きな手のひらで握った。

「んぅっ!」

ワイシャツを咥えている文也はその感触にビクンと身体を揺らす。

「大きな声…ダメですよ。我慢して。…誰にも聞かさないで。俺だけでしょ?高橋さんに、こんな事出来るのも…そんな声聞いて良いのも…俺だけだよ。」

耳元で囁かれ、下半身を擦り合わせられ、文也は頭がおかしくなりそうだった。

「ンゥッ!んぅ〜っっ!」

涙が溜まった顔でシャツを咥えたまま首を左右に振る文也。

「イキそう?…良いよ。俺もっ…っっ!」

藍の手のひらに二人分の白濁が滴る。

ガクンと体勢を崩した文也は藍の肩に額を倒した。

「大丈夫ですか?」

スリッと頬擦りされ、またドキンと心臓が高鳴る。

「本当に君は…僕をおかしくさせる。…怖いよ」

藍はハッとした。文也が涙目で目を合わせ呟いた"怖い"は、やり過ぎたせいかと心配したからだ。

「嫌いにならないで…高橋さん…」

怯えたような表情は、文也をプッと吹き出すほど笑顔にした。

「ならないよ。…僕だって、特定の人を作らず七年もいたわけじゃないんだから。」

「そ、それって!」

文也は恥ずかしそうにチラリと藍を見上げた。

「僕もずっと君が好きだった…心のどこかで…ずっとね」

高橋さんと藍くん 80

 


80

 

 

 

「関…離せ」

「課長…俺が嫌いっすか?」

ソファーに座る宝井の足元に座る関は俯いたまま呟いた。

宝井が前髪で表情が見えない関の髪を撫で上げる。

「早急だとはおもわねぇか?」

「もう…進め方が分からないです」

「分からないって…」

「今まで簡単だったからっ…全部簡単だった。なのにっ…今は頭が真っ白で分からない。」

「良い男が台無しだなぁ」

宝井が苦笑いする。

「…舐めていいですか?」

「何でそうなるんだ…わかんねぇままやっていい事じゃねぇだろ」

宝井が更に困った顔をすると、足に挟まるように座る関はソッと股間に手を掛け泣きそうな顔で顔をあげた。

「課長のそういう困った顔も…笑った顔も…好きです。…知らない顔を見たくなる…俺だけ知ってる顔を…もっと見たくなる」

ベルトは引き抜きかれ、スラックスのファスナーも下げられ、乱れた衣服から見える下着に指を掛け、生地の上から舌を這わせた。

グッと頭を引き離されても、関は歯向かうように顔を歪ませ下着に唇を寄せた。

「関っ」

「本気でダメなら…蹴り飛ばして下さい」

宝井は大きく溜息を吐きバチッと自分の顔を手のひらで覆った。それから、フゥーッと息を吐きながら、眉間に皺を寄せ、関を引き離そうと頭を押していた手を緩めた。

関は上目遣いで宝井と目を合わす。そのまま、下着から宝井の男根を出して、直に舌を這わせた。

「…勃ってる」

「生理現象だ」

「それでもいいっすよ」

口内に唾液を溜めて喉奥まで咥え込む。

頭の上から、甘い吐息が漏れ落ちてくる。

「っはぁ…」

関の頭に置かれた手が、髪の中に指が潜り、いやらしく動く。

関にとって、それはすでに宝井からの愛撫だった。

甘い吐息も、髪を撫でる手も…。

咥えたまま上目遣いに見上げた宝井の姿は大人の色気を孕み、ただでさえ好きな顔が自分のしている浅ましい行為に目を細めているのが堪らなく興奮した。

「もうよせ…出ちまう」

宝井の言葉に更に興奮する。

関はチュパッと唾液を鳴らしながら反り勃った熱から唇を離さず喋った。

「課長…出して下さい」

「チッ…そこで喋るな…」

「気持ちぃんだ」

関はニヤッとほくそ笑んで、また深く咥え込んだ。上下させる唇と合わせて根本を手で扱く。

「…っくそっ…」

宝井はグッと眉間に皺を寄せてビクッと身体を揺らした。

「んぅっ!………」

関の口内に熱い迸りが注がれた。

「っはぁ…はぁ…おい…ティッシュ、ほら」

宝井がソファーの端にあったティッシュボックスから数枚引き抜いて関の口元に押し付けた。

「悪い…早く出せ」

すまなそうに宝井が身を乗り出すと、関はゴクッと喉を鳴らした。

「おまっ!ちょっ!飲んだのかっ!?」

慌てる宝井に対して、関は唇を指で撫でながら呟いた。

「出すわけないでしょ…こんなに好きなんだから…」

関は自分でも驚いていた。

口の中で吐き出された白濁は濃い味で、勿論、本来、美味いものではない。

ただ、それが宝井のモノであると認識しているだけで、関にとっては堪らないものに変わったのだ。

 


こんなに好きなんだ…

 


頭が真っ白になっていた。自分がした行為や、明日からの仕事を考えたら、とてもして良い行為の数々ではない。

 


「はぁ…マジで…俺…すみません…」

関は手で顔を覆い、項垂れた。

「…口、洗って来い」

「…うす」

「ほら、立て」

宝井は立ち上がり、フローリングにへたり込んだままの関の腕を引いた。

ヨロッと立ち上がった関を宝井は腕の中に引き入れる。

「か……課長?」

「……悪い、洗面所あっちだ」

宝井はパッと関を離し、顎で軽く行き先を示した。

「課長」

「あぁ!悪りぃ、気にすんな!さっさと洗って来い」

眉間に皺を寄せて視線を逸らしたままの宝井に、関は一瞬困惑したものの、言われた通り口を洗いに洗面所に向かった。

 

高橋さんと藍くん  79

79

 


文也の仕草に、藍の我慢は限界を超えた。

「高橋さんっ…俺も、もう挿れたい…」

「藍くんっ」

文也は藍の首に腕を回す。

文也の太ももの裏を藍の手のひらが滑るように押し上げる。

散々解した箇所にヌルヌルと先端を当てがい、ゆっくり身体を押し込んだ。

「くぅっ…」

「ぅゔっ…っはぁっ…」

藍は思っていた以上の中の狭さと、熱さに達してしまいそうだった。

文也も同じように、指とは比べられない大きさに息が詰まった。

藍はゆっくり文也の腹を撫でる。

「苦しい?…大丈夫ですか?まだ…ここまで…」

スルッと指が這う腹でさえ、性感帯のようにビクンと反応を見せる文也。藍は恍惚とした表情でそれを見下ろし、悪戯にも残りの自身を一気に押し込んだ。

ズンッと中をこじ開けられ、擦られた文也はビクビクと身体を震わせる。

「ぁあっ!っはぁっ!はぁっ!…ダ…ダメだっ…藍っ…くんっ…ダメッ中っ…」

藍はたまらなかった。文也を突き上げたら、彼はその快感でイッたのだ。掴んだ腰を引き上げると、腹に出た文也の白濁が胸元へ向かってトロリと流れていく。

「感じる?今、俺が突いたら気持ち良くて出ちゃったね…エッチだなぁ…」

ゾクッと身体に震えを感じる程に藍は興奮していた。

腹の白濁に手をべちゃりと浸し、その手で文也の熱を握った。

「ぁあっ!」

グチュグチュと前を扱きながら、後ろからも腰を振る藍。

文也の頭は真っ白だった。

快感の波が絶え間なく襲い、緩んだ口元から唾液が流れていく。

藍はゆっくり腰を揺らしていたかと思うと、時折最奥を狙って激しく突いたりした。

「もぅっ…こわっ…れるっ…ぅゔっ…ぁっあ゛っ!ハァッ!ぁああっ!…藍っ藍くんっ!イクッ!…」

「俺もっ…もうっ…うっ!」

藍の動きが激しくなり、文也も追い上げられる。文也の内腿が痙攣して、中イキを繰り返しながら、白濁も吐き出し、意識を保っていたのはそこまでだった。

藍は意識の飛んだ文也を見下ろし、我慢出来ずに中で吐き出してしまう。

ゆっくりと引き抜いた自身に続いて、白濁が泡立って糸を引いた。

「…ヤバい…すっげぇエロい…」

藍を受け入れていた文也の下半身は、意識がないのに、ヒクヒクと痙攣していた。

藍は文也を抱きしめ額にキスをした。

「もう…マジで離してあげませんから。」

そう呟いて、藍も瞼を閉じてしまった。

高橋さんと藍くん  78

78

 


「ベッド…行きます」

藍は果てた文也を湯船から抱き上げた。

「少しのぼせましたか?…水…持って来ます。っ!!…た、高橋さん?」

「い、行かなくて大丈夫…側に…居て」

白い肌をピンクに染めた文也は藍の手首を離さなかった。

「離れると…ちょっと…恥ずかしくなりそうだから」

文也は自覚がないから恐ろしい。自分が相手をどれくらい煽っているか気づいていないのだ。

「…わかりました。」

藍は昂る気持ちを抑えながらベッドに横になる。文也を引き寄せ、胸元に抱き込んだ。

「夢みたいだ…」

文也は胸元から上目遣いに藍を見上げる。

目が合うと、藍は柔らかく微笑み、文也の前髪を撫であげた。

それから、銀縁の眼鏡を外し、サイドテーブルにそっと置く。

「高橋さん…好きです」

文也に覆い被さるように顔の横に手をついて呟いた。

文也もまっすぐ藍を見上げ、一度唇をキュッと結んでから、スゥッと息を吸い、返事を返した。

「…僕も…君が好きだよ…多分…もうずっと昔から」

藍は文也の額に自分の額をゴツンとぶつけた。

「あなたは何回無自覚に俺を煽るんですか?…もう、離してあげませんからね」

そう言って、鼻先を擦り合わせるようにしてから、目を合わせたままキスをした。

 


何度も何度も

 


下唇に噛みつき、口内を舌で犯し、また上下の唇に噛みつくようにキスを重ねる。

「んっ…藍…くんっ…っはぁ……ぁっ!」

手をゆっくり文也の熱に掛け、頰、顎先、首筋と舌を這わせながら、小さな胸の尖りに舌を絡ませた。下をユルユルと柔く扱きながら、執拗に胸を舐める。たまに歯をたて、文也の身体が弓なりに反るのを目を細めながら堪能した。

文也は口を腕で塞ぎ、声を殺そうと必死だ。

藍はその腕を優しくベッドに押さえつけて、耳の中まで愛撫しながら囁いた。

「高橋さん…全部俺のものになって…声…我慢しちゃダメです」

「んぅっ…」

深いキスで返事さえままならない。文也は頭の芯がドクドク脈打つのを初めて経験していた。

藍に微かに触れるような半端な快楽を与えられた下半身はまるで十代かのように反り勃っている。あちこちに降り注ぐ快感は自分を見失う程に深く怖かった。

「藍くんっ!ダメだっ…僕っ…イッ…もうっ」

藍は全身に唇を這わすように肩の丸みに舌を這わせながら懇願する文也と目を合わせた。

「…可愛い…でも、もうちょっと我慢」

藍は上気した顔で文也の熱をギュッと強く握った。

「ヒィッ…ぅゔ…ゃ…ヤダ…あ、藍くんっ」

フワフワのブラウンの髪を揺らしながら顔を顰め首を左右に振る文也。前髪が汗で額に張り付いて乱れる。

「はぁ…すげぇ…エロい…」

吐精感を抑えつけられ、身を捩る文也に舌舐めずりが漏れる藍。

今まで、ずっと抱きたかった人の乱れる姿は想像を絶する絶景だった。

「高橋さん…息、吐いて」

文也の立てた膝にキスしながら藍はゆっくり自分の長い指を咥え唾液を絡めた。

そのまま滴る程濡れた指を文也の後ろに擦り付ける。

「ぁっ!藍くんっ…」

膝同士を合わせ、身体に力が入る文也。

藍はもう一度体を上げ、文也を抱きしめた。

「大丈夫…ゆっくりします。」

「んっぅ…」

深いキスの後、藍はまた体を下にずらして、文也の合わさった膝を左右に押し開いた。

握っていた文也の熱を手放し、優しく強く擦っていく。

我慢の限界だった文也はあっという間に追い上げられ射精した。

腹に散った白濁を掬い、それをローションの代わりに使う。

グチュッと卑猥な水音は藍の脳内に響き、自分でさえ触れてもいないのに先端から滴るくらいに先走りの汁が垂れた。

浅い箇所で出し入れを繰り返し、ようやく三本の指が入った頃には文也は最初とは比べ物にならない妖艶な顔をしていた。

薄い腹がヒクヒクと痙攣を繰り返す。

「藍くん…もぅ…僕…」

甘い声で藍の髪を撫でてくる。

「高橋さん…なんて顔してるの…もしかして…もう欲しい?」

藍の言葉に文也はドクドクと熱を持つ頭でキュッと目を閉じて頷いた。

 

 

 

 

 

 

vintage motion 58

58

jun

北海道は観光シーズン真っ只中だった。

どのホテルも満室な中、この男と来たらいけすかない。

「翔さん…」

「何だ?」

「何であんたの会社の出張で来てるっつーのにまた豪華にスイートなんだよ!」

「あぁ…まぁ、アレだ。コレは自腹だから良いんだよ。ビジネスホテルのユニットバスは俺には合わない」

「はぁ…合わないって…」

煌びやかな某有名ホテルのジャグジーで俺を抱き寄せる翔さんに溜息を吐いてやる。

「ついでに言うと、ビジネスホテルはおまえにも似合わない。見合う場所に連れて来てるまでだ。気にするな」

「よく言うぜ」

俺はザバッと音を立ててバスタブから立ち上がった。

簡単に手首を引かれ引き戻され、まるで警察が犯人を捕まえた時のようにグイと後ろ手にひねりあげられる。

「ちょっ!痛ぇよっ!」

腰を掬いあげられ、後ろから簡単に熱い杭を打ち込まれた。

「ぅゔっ!ぁあっ!バカっ!お湯がっ!入っる!!」

シャンパシャンと水音がして、抵抗なんて無視され翔さんは腰を揺らす。

一度抱かれた日から…

翔さんは俺を離さない。

おかげで過去のアレやコレを考えられないでいる。

抱かれる事にも随分慣れた。

こっち側がこんなに良いなんて教え込まれちゃ早々に戻れそうもない。

バスタブのふちにしがみついて腰を高く上げていた俺の身体が反転した。

お湯の中、軽々翔さんに正面から抱きしめられる。

首筋にキツく吸い付いたかと思ったらそのまま翔さんはお湯から立ち上がった。

「翔っ!」

俺が驚いた顔をして落ちないよう首に腕を回してしがみついた。

耳元で甘い声がいやらしく囁く。

「駅弁…気持ちいいか?」

「ぅゔっ…バカやろっ…おろっせ!」

「言われなくてもおろしてやるよ」

気づいたらベッドに降ろされ、足首を掴まれたかと思うと激しく中を掻き回された。

「ぁっぁあっ!やめっ!あっ!はぁっ!いっ!イクっ!」

「今日はオフだから好きなだけイキな。失神するまで犯してやるよ」

「翔っ!翔っ!ぁあっ!!っくぅっ…!」

ニノの事を考えると、胸がズキンと痛む。

相葉くんが彼氏になるんだと思うと、複雑な気持ちにもなる。

だけど…

翔さんに開かれ開発されていく身体と、俺に向けて馬鹿みたいに浴びせてくる愛の言葉の多さに、その痛みや複雑な心境が、夢だったような気がしていた。

まるで薬でも盛られたように麻痺していく。

バリタチだった俺なんて、本当は嘘だったんじゃないか

何年も前から俺は翔さんの愛情の中に居たんじゃないか

そんな魔法の毒が

毎日毎日、俺を襲っている。

「っはぁ…はぁっ…はぁっ」

果てて息の上がる俺を舌舐めずりしながら見下ろしてくる。

半端じゃない帝王感にハハッと笑いが漏れた。

「あんたが悪いんだからな。」

「おや?何の話かな?」

ニヤニヤ笑う翔さんは、さっきから幾度となく俺の中で達しているくせに、まだ元気なソレを白濁が溢れ出るそこにグチュグチュと擦り付けた。

「くぅっ…はぁっ…俺をっ…こんなにしてっ!絶対っ…許さねぇ…俺を裏切ったら…っはぁ…許さねぇからっ」

グプグプっと音を立てながら翔さんがゆっくり俺の中に入ってくる。

顔が近づいて、舌を絡め合うと彼は言った。

「許さなくていいよ。」

「はっ?!何言ってっぁあっ!うっぐっ!」

ズンッと奥を突かれ背中が浮く。

「許さなくていいとっ!!言ったんだっ…俺が潤をっ…裏切る事なんてっ…ないからっ…」

翔さんと目が合い、ゾクゾクっと身体が震える。

俺はきっと…とんでもない人と

出会ってしまったんだろう。

ニノ、相葉くん…きっとそっちに戻っても

俺は大丈夫な気がするよ。

きっと、大丈夫。

 

vintage motion 57

57

aiba

ニノの事を真剣に考え始めてからというもの、当たり前だけどそれなりに男同士である事について勉強した。

少しの酒と沢山の涙。

その余韻に任せた押しの一手。

マンションに連れ帰ったニノをソファーで抱いていたら、もうどうしょうもなく我慢が利かなくなった。

同時にニノも同じなのが分かる。

男同士って…隠しきれないよな…なんて、盛りのついた自分の下半身。

ニノが熱に浮かされたような目で俺の上着を引き上げた。

「…ぁ…相葉さんっ…」

『ニノ、あっち…寝室。』

ニノの手を引いて、ベッドに優しく押し倒した。

「相葉さんっ!あのっ!む、無理しないでね!やっぱ違ったなら!ちゃんとっ!」

俺は興奮気味のニノに自分のを握らせた。

「あっ相葉さん…」

『無理してたらこんなにならないよ』

ニノは真っ赤になった。

それから、ゆっくり俺のズボンのファスナーを小刻みに震えながら下ろした。

下着から出した俺の熱に熱い吐息がかかる。

足を投げ出した間に四つん這いでうずくまるニノが盛りを握っているなんていう卑猥な絵面に俺は口元を押さえ、熱い息が漏れるのを隠した。

薄い唇がゆっくり盛りの先端を舐め、ジュルっと口に含まれた。

「んっ…んぅ…」

小さな口にパンパンに頬張るもんだから、甘い声が漏れてヤバい。

ヤバい…ヤバい!絵面がヤバ過ぎる!!!

ジュプジュプと音を立てて、まるで美味いもんでもしゃぶるようにするニノを見下ろしているだけで、危うく達してしまいそうになる。

『ンッ!っはぁ…ニノ、ちょっ…』

「…相葉…さん…ヤダ?」

タラーっと唾液の糸を垂らしながら俺を見上げるウルウルに光る瞳。

『違っ…エロ過ぎる』

俺はキュッと口を結びパチンと片手で顔を覆った。

「嬉しい…いっぱい…気持ち良くなって」

ニノはそう言うとまた口に含もうとする。

『まっ!待って…』

キョトンと俺を見上げるニノを引き寄せた。

腰を引き寄せた手をそのまま後ろに滑らせた。

「相葉さんっ!」

『ここ…解さなきゃ…ダメなんでしょ?』

膝立ちのニノの胸の尖りをペロリと舐めて見上げた。

真っ赤になったニノがフルフルと首を左右に振る。

『どうして?…』

「じ、自分で…相葉さんはそんな事…しなくて良いから…」

ニノは膝立ちのまま少し足を開いた。それから、片手を俺の肩にかけると、目の前で自分の指を唾液に浸し、後ろを解し始めた。

「ぅ…んぅっ…ハァッ…」

目の前でとんでもない映像が飛び込んで来ている事にドキドキ鳴る心臓が止められない。

白い肌の胸元が目の前で身を捩り、さっき舐めた尖りがピンと立っていた。

『ダメだっ!ニノっごめんっ!!』

俺はニノの腰を抱き軽い身体を持ち上げると一気にシーツにその体を転がした。

「あっ相葉さん?!どうしたのっ?」

ニノの顔の横に手を突いて見下ろし、そのまま深くキスをした。

クチュっと口内を舌で確かめるように動かす。

「っんっ!はぁ…っ」

離れた唇から甘い吐息を確認し、俺は呟いた。

『俺がするからっ…』

「相葉さん…ぁ…あっ!そんなっ!」

ニノの白く細い足を開き、そこに顔を埋めた。

もう、ガチガチに勃ち上がり、テラテラと光る汁を溢しているニノの熱い熱を握った。

初めて他人の勃起したナニを握ったわけで、嫌悪感が湧き立つのかと思いきや、想像を絶する興奮が俺を襲い、どうしょうもなくたまらない気持ちになった。

ゆっくり口に含むと、開いたはずの膝が閉じようと力を込めてくる。

柔らかな太ももの内側を少し強めに押し開き裏筋を舐め上げた。

「ぅ…んぅっ…っっ」

ビクビク反応する熱を咥え込み、ゆっくり後ろに指を這わす。

さっきまでニノが自分で弄っていた穴は唾液に浸されグチュクチュっと官能的な音を立てた。

それが俺の下半身を刺激しない訳がなかった。

指はいい調子で二本入る。

どうすれば気持ち良いのか、探るように三本目を挿れ、指を手前に揺らした。

コリッと何かに触れる感触と、ニノの身体がビクビクッと大きく揺れた事で確信する。

『見つけた…ニノの良いとこ…』

口から出した熱の先端にキスをしながら指を動かす。撫で上げたり、突くように差し込んだりするたびに、ニノは喘いだ。

『ニノ…好き』

「ぁっんぅ…んぅっ…ぁあっ!」

指がキュウっと締め付けられ、ニノの身体が弓なりに反り、腰を軽く二、三度揺らしたら、ビュッと勢いよく果ててしまった。

「ごめ…なさい、我慢出来なくて…」

濡れた瞳から伝う涙は快感を逃しきれなかったせいなのか、異常なまでに艶っぽく、完全に我を失いそうだった。

『ねぇ…入れていい?』

息も荒く問いかけると、ニノは自分が吐き出した腹の白濁を指に擦りつけて、ゆっくり全開に開いた間に手を差し込んだ。

グチュっと中に指をさしたまま、ニノが呟く。

「相葉さん…来て」

ブワっと肌が栗立った。

ゾクゾクと背骨辺りまで間隔が研ぎ澄まされたような感覚を覚え、俺はニノの膝に手をかけ、自分の爆発しそうな盛りを押し付けた。

「ぅんんっ!!あっいば…さんっ!」

『っはぁっ…キッ…つ…ヤバぃっ…はぁっ…くっ…』

ニノの中は熱くて、ピッタリ吸い付いてくるみたいだった。あんなに解したのに、嘘みたいにキツい。

更に奥に押し込むと、結合部にニノの吐き出した白濁の汁がグプグプと泡だって溢れた。

エロ過ぎる。

全部入って身体がギュッと繋がると、ニノは俺の首に腕を回してくる。

顔が近づいて、また深くキスをすると、ニノの身体は正直過ぎる程に痙攣し、俺を締め付けた。

『もう、我慢出来ないかも…動いて平気?』

コクンと頷くニノを見て、俺は腰を進めた。

濡れない穴をトロトロにしてからするSEXの音はいやらしいにも程があって、視覚だけにとどまらず、聴覚でさえおかしくなるようだった。

「あっ!あっ!はぁっ!気持ちっ…ぃいっ!中っ…当たってっ…相葉さんっ…ぁっぁんっ!ハァッ…奥っ…ヤバっいっ!」

さっき指で当てた良い箇所を狙って打ち付ける。

「ダメっ!…ダメっ!ぁあっ!イクっ!イクっ!」

『ニノっ…俺もっ!出るっ…』

腰を引こうとした俺の身体をニノは離さなかった。

『ダメだよっ!もぅ出ちゃうからっ』

「お願いっ…相葉さんのっ…下さいっ…」

頭が真っ白になった時には遅かった。

ギュウっと締まるニノの中で、ドクドクと出ている感触。

『くっ…っはぁ…はぁっ…ぅそだろ…』

初めて中出しなんてもんを経験して、快楽で頭がおかしくなりそうだった。

ぶるっぶるっと震えてしまう身体をダメだと分かっていて、更にグンと押し込んだ。

ヒクヒクと痙攣するニノの中が俺の全てを絞り取る。

乾いた喉にゴクッと生唾を飲み込み、乱れた息のまま、ニノに覆い被さるように倒れ込んだ。

耳元でグズグズと鼻を啜るニノが呟く。

「嬉しい…幸せ…過ぎる」

身体が繋がったままギュッとニノを抱きしめた。

『ニノ……もう、泣かないで。』

フワフワの髪に、額に、鼻先に…唇にキスをして見つめ合い囁いた。

『好きだよ、ニノ』

そうしたら、ニノは涙を流し微笑みながら

「俺も…」

と小さく呟いた。