ninon's BOOK

オリジナルBL小説のブログです。

libido 70

70

Green side

バタバタと廊下を走って隣の教室に飛び込む。

『カズっ!!…ぁ、あれ?』

「あぁ…ニノならトイ」

『ありがとっ!!』

「…レって、最後まできけよ」

後ろで松本がボヤくのが聞こえたんだけど、俺は一直線に男子トイレに駆け込んだ。

そこには一人きりカズが洗面台で手を流している最中。

俺は水浸しの手を引き寄せ、一番奥の個室にカズを押し込んで後手に鍵を掛けた。

「まーくんっ…んぅっ…!!!」

便座に座らせたカズの頰を包んで深くキスする。

散々口の中を舌で掻き回した俺はプハッと唇を離し、手にしていた現代文の答案用紙をカズの目の前に突き出した。

『見てっ!!70点!赤点じゃなかったよっ!』

俺の興奮にカズがパァッと明るく顔色を輝かせる。

「まーくんっ!!やったじゃんっ!!」

『うんっ!!返却されるまで心配させちゃったからさっ!早く知らせたくてっ!』

言い切ったと同時に何人かがトイレに入ってくる足音、話し声がした。

カズと目を合わせてゴクリと息を呑む。

勢いよく来て、こんな所に閉じ込めちゃったけど…。

これはこれでマズイ。

「なぁなぁ、テストどうだった?」

「あ、俺、楽勝」

「俺は赤点二つぅ…夏休みが楽しくなりそうだわ」

「うひゃーお気の毒ぅ」

なんて会話が扉の向こう側で交わされている。

カチャカチャ

俺は自分のベルトが緩められる音に驚いて、便器に座っているカズを見下ろした。

カズは俺を見上げ、ペロッと赤い舌を出すと、ゆっくり俺の下着に

手をかけた。