ninon's BOOK

オリジナルBL小説のブログです。

キミとボクの 52

52

息を止めて、時間が進まなければ

そう出来るなら

俺はきっとおまえをここから

二度と出さないだろう。

どこかでそんな風に考えていた。

息苦しさはそのせいだったんだろうか。

全てが初めてだった。

自分のモノじゃない性 器を 握る事も…咥える 事も…。

コ ンドームに指を通し、潤滑油を使って解していく。

この先を恐れていたくせに、夢中になっていた。

甘い 喘ぎ と、しなる身体に、毒でも盛られたかのような盛り具合で…

俺はニノの身体を貫いた。

前から、後ろから、細い腕を引いたり、柔らかな髪を押さえつけたりして、乱暴な激しさで、何度も何度も、打ちつけた。

俺とニノは

兄弟で

男同士で…

ニノの身体の中に吐き出して溢れ出る精液は

まるで

欲望を受け入れない神からの罰なんじゃないかと

怖くなって、何度も自分の熱で奥へ奥へと押し込んだ。

グチュグチュと卑猥な音を立てながら、入り口は白く泡立ち、これは許されないと気付いていた。

それなのに

こんなにも愛おしい。

「好きっ…もっとっ…もっとっ!」

『くっ…そっ!どうしてっ!…ッハァ…ハァッ!』

しがみついてくる身体を支配する。

支配して、染めていく。

『どうしてっ!!』

どうして…俺たちが

兄弟なんだ。

ニノの中で何度と知れず果てた。

ニノの細い身体が波打つシーツに沈んでいる。

目を細めて、汗が滴る俺を見上げている。

俺はニノの顔の横に手を突いて息を切らしていた。

ジッと組み伏せたニノを見つめ返す。

顎先からポタポタと滴る汗が、ニノの頰を流れた。

腹から胸元にかけて、ドロドロとした欲望にまみれたニノの肌を撫でる。

俺はその指に絡んだ白濁の粘りを見つめて…

泣き出してしまった。

怖くて

愛おしい

怖くて

離せない

『くっ…ぅゔ…うっ…』

「俺に後悔…しないかって聞いたくせに…おにーちゃんは…意気地なしだなぁ」

ニノが俺の首に腕を回して、引き寄せる。

ニノの身体の上に重なって、俺はしゃくり上げるように咽び泣いた。

首筋に噛み付くようにして、泣き止もうとするのに、どうしても止まらず、ニノはそんな俺の髪を…

ずっと撫でていた。

それから…ニノは

耳の中に言葉を置くように皮膚に口づけながら呟いた。

柔らかな優しい声で

“愛してる”と…