gimmick 31
31
唇を舌先がなぞってくる。
キスとは言い難い卑猥な行為。
その後に、相葉先生の長い指が口内の舌を撫でる。
俺は言われもしないのに、ゆっくり、粘着質に指に舌を絡めて舐める。
視界は変わらず闇。
荒い息遣いだけが俺の知るところ。
相葉先生はゆっくり俺をベッドに押し倒す。足はまだ床に付いていたのだけど、先生が俺のベルトに手をかけるから驚いて爪先が宙を彷徨った。
「せんっせい!」
『…ジッとしてろよ…』
先生は俺の昂った熱を取り出し、簡単に口の中に引き込んだ。
初めての感覚。
グチュグチュと音を立てながら相葉先生の唇が周りを締め付けながら、中では舌が絶妙な動きで絡みついてきた。
腰が弓なりに浮く。
相葉先生はその隙間に手を入れ、俺の腰をグイと下へ引きずり下ろした。
『動くな、咥えづらいだろが』
そう言って手も使って根元から扱きあげられ快感が頭をおかしくする。
相葉先生の髪に両手を突っ張り目を閉じた。
「ハァッ…ハァッ…せっんせっ!出ちゃうっ!無理っ!はなっしてっ!」
グチュグチュと吸い付く唇は意地悪によりスピードを高めた。
「やぁっ!ダッダメッ!!うっ!!ックぅ…はぁ…ぁ…先生っ…」
一瞬身体が痙攣して、相葉先生の肩を強く突っぱねた。
ジュルッと音がして…ゴクリと喉が鳴る音がする。
相葉先生は俺の熱をペロペロと綺麗にし始めた。
俺はゆっくりベッドに手をついて、暗闇の中、息が整うよう肩が揺れる。
下半身に刺激がなくなったかと思うと、唇に青臭い香りが重なって来た。
舌先が中に押し入ってより一層強い自分の味が広がる。
「んぅっ…はぁっ…先生…」
目隠しされていたネクタイが解かれる。
目の前の相葉先生の瞳が、少し潤んでいる。
「…先生…」
『良かったか?』
先生が俺の顎を掬いながら呟いた。
俺は顔を赤らめながら頷く。
『くふふ…正直で宜しい。抜いて貰ったからって昼からの授業寝んなよ』
そう言って先生は鏡の前に移動して、いつかみたいに何もなかったかのようにネクタイを結び始めた。
「…寝ませんよ…あの…」
『なんだよ…』
相葉先生がキュッとネクタイを締め上げてこちらを振り返った。
俺はベッドから立ち上がって、2、3歩近づくと
「…しないんですか?」
直球を投げかけた。
相葉先生は俺をジッと見つめ笑った。
『ハハっ!何?したいの?昨日は嫌がったクセに、随分思わせぶりな奴だな』
「…だって…」
足音が俯く俺の目の前で止まる。
顔を上げたら、相葉先生が片方だけ口角を上げて呟いた。
『案外、ビッチなんだな』
「そっ!そんなんじゃ」
『朝もっ!』
俺は大きな声を出されて身体が固まる。
先生は少し屈んで、俺の髪を耳にかけた。
それから、その耳に息を吹き込むようにいやらしく喋った。
『カッコイイ彼氏とイチャイチャしてたじゃん…おまえには、ああいうのが合ってる。こっちはいつでも遊んでやるから…な?』
ケツのラインをなぞるように撫であげられて、ゾクリとまた快感に近い物が駆け上がっていく。
「違いますっ!彼は幼馴染みなんだ!彼氏じゃないっ!彼氏はっ!…彼氏はっ!」
相葉先生の白衣を掴む。目一杯瞳を潤ませ胸元に飛び込んで、首筋に頬を摺り寄せ肩にキスをした。
『二宮…』
「先生でしょ…俺の…彼氏。俺は先生のモノでしょ?恋人でしょ?……好きなんです。」
『……おまえは変だ……変だよ。俺を…どうしたいんだ…』
絞り出すような呟き。
その後、先生は俺をゆっくり…
抱きしめた。
先生をどうしたいか?
決まってるじゃないか…。
俺だけになればいい。
その為に、俺は真っ黒になってあげるよ?
真っ白だと思わせて…
真っ黒になって、あなたを独占したい。
「相葉先生…大好き」
大好き。