ninon's BOOK

オリジナルBL小説のブログです。

2020-09-05から1日間の記事一覧

時雨月の音 24

24 陽が沈んで、風が吹いて、景色が変わる。 髪が揺れて、頬を撫でて、身体の距離が縮まる。 交差した顔はゆっくり離れて、鼻先が触れ合う距離で止まる。 「和…」 あぁ…今その呼び方は、卑怯だよ。 俺はその声にもう一度名前を呼ばれるのを待っていたんだか…

時雨月の音 23

23 コンビニの袋は何故か雅斗がぶら下げていた。 雨は止んでいて、さしてきた傘が邪魔になる。 雅斗の髪…少し濡れてたな。 そんな雅斗は、俺がどこへ帰るとも知れないのに、ズンズン前を歩いて行ってしまう。 偶然出会っただけなのに、なんでこんな事になっ…